降りていくブログ 

ここという閉塞から逸脱していくための考察

2018-01-01から1年間の記事一覧

親問題

ずっとそこに引きつけられること。 自分でも本当には何をしようとしているのかも知らないこと。 10年も20年も経ってみえてくるようなこと。そうであるとも気づかず、わかってもないのに動かされていること。 こないだ歩いていて、自分の研究の原点が何か、や…

物語 時間の外部化の機能をもつものとして

DIY読書会で物語についての発表があった。 いしいしんじ、山極寿一、藤原辰史、竹宮惠子『「物語」はどうつくられるのか』という企画から。 物語とは何かとあらためて考えてみた。それは時間の外部化であるのかなと思った。 DV加害者の更生プログラムで一番…

問題解決とは何か 前提を維持する改善と前提を破綻させることの違い

問題解決とは何か。当事者研究は問題解決の取り組みのようにみえるかもしれないが、熊谷晋一郎さんなどは、問題解決ではないとしている。 https://www.dnp-cd.co.jp/lab/column_ud/pdf/pdf01_02.pdf 熊⾕先⽣当事者運動と当事者研究について話しましたが、「…

南区DIY研究室読書会 フレイレ 鶴見俊輔 芹沢俊介 民間学とは親問題に向きあうこと

9月18日に発表した原稿の転載です。 ーー ◆里見実『パウロ・フレイレ「被抑圧者の教育学」を読む』 第3章後半〜 フレイレは、参加型調査というあり方で、調査に関わる人々の現実認識を変容させる実践をしている。自分と関わっている日常世界を対象化する…

関西当事者研究交流集会抄録 巻末の文章 お題「100年後の価値観」

関西当事者研究交流集会の抄録に書かせてもらった文章を転載します。 --- どういうわけかわからないが、中学の時に強いフラッシュバックが始まった。自分の一挙手一投足を始終観察し、馬鹿にして粘着してくる同級生を強く憎み軽蔑し、気持ち悪いと思っていた…

2018関西当事者研究交流集会へ

大阪大学の関西当事者研究交流集会へ。 会場で配られる抄録に鶴見俊輔の親問題、子問題という考えを引用しながら、自分のもっとも深い痛みや苦しみこそが、生きることを切り開く力になるということを書かせてもらった。自分のような、何の肩書きも誇るような…

世界の更新 イメージを喚起させること 時間を動かすこと

過去の世界、記憶の世界の時間は止まっている。放っておけば、どんなに時間がたってもある対象や物事に対して、同じ見え方、同じ感じ方が維持される。自意識に認識される世界はこの止まった世界を通したもの。自意識は時間が止まった世界、違う言い方をする…

9/18南区DIY研究室 卒論ゼミのような形態の提案 民間学としての当事者研究

火曜日の読書会で、これからの読書会のかたちを提案しようと思う。 *DIY読書会初参加の方はcasaludens@gmail.com へご連絡をお願いいたします。 <テーマ探究型発表の提案> →卒論ゼミのように、自分の持っているテーマ、探究していきたいテーマをもって、…

9/12 星の王子さま読書会 酒のみのシーン

第二水曜日の星の王子さま読書会。 月に1回のペースで今回で13回目。13ヶ月をかけて75ページまですすんだ。今日は王子が酒飲みに会うシーン。 酒飲みは山のような空き瓶と新しい瓶を前にして黙って座っている。子どもの頃に読んだ内藤濯訳の星の王子…

スポーリン『即興術』

スポーリンの本を購入。 www.miraisha.co.jp 注釈が丁寧で、章の終わりなどでまとめて書かれているのではなく、そのページのなかにコラム的なスペースをとってすぐに説明されている。たとえば、本文中の「関わり」はinvolvement の訳で、これはrelationship…

神田橋條治『発想の航跡2』崩壊と破綻 アクションとイメージの関係

行き詰まっていた神田橋さんの「崩壊」(いい意味)をすすめた、精神療法家パデル先生の患者に対する姿勢。 「先生は常に患者の内側(in)の世界を大切にされた。そしてそれを正そうとするのではなく、内側の歪みの視点から見えてくる外界像を受け入れ・とも…

言葉の世界と回復の関係

言葉の世界に入るとは、世界との一体性から分離され、孤独で卑小な位置づけがされるという屈辱的な傷つき、根源的な傷つきを受けることなのだと思う。よって言葉の世界に入った瞬間に人は誰もが回復を求める存在になると思う。 だが、回復は遂行「すべき」も…

ブックレビュー 伊藤洋志『ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方』 

ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方 作者: 伊藤洋志 出版社/メーカー: 東京書籍 発売日: 2014/03/28 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る ■この本を選んだ理由 著者の伊藤洋志さんがある友人(本の中で紹介されている和歌山で当選し…

自給の畑を身につける 11月の畑 エンドウ種まきなど

2013年11月9日の実習のシェアです。 10月の実習はこちら。 kurahate22.hatenablog.com <11月の実習> 先月の実習で蒔いたものの確認。 <ホウレンソウに土寄せ> <サツマイモ収穫> <タマネギ苗の定植・畝づくり> <タマネギ苗を置いていく>…

自給の畑を身につける 10月の畑 キャベツ・ハクサイ苗の定植 ホウレンソウ種まき

2013年10月12日の実習のシェアです。 9月の実習はこちら。 kurahate22.hatenablog.com <10月の実習の概要> 畑の状況の確認、今あるもののケア、種まき、ニンニク植えなど。 <畑の現在>・秋だが、例年より温度が高いため、夏野菜やサツマイモ…

自給の畑を身につける 9月(2013年)の畑 夏野菜のケア タマネギの種まき等

2013年9月14日の畑の実習のシェアです。 8月の実習はこちら。 kurahate22.hatenablog.com <9月の実習報告> 14日は、今うわっている夏野菜のケアから始まりました。前回の実習のケア、空気入れでナスやピーマンが大きくなっていました。糸川さん…

自給の畑を身につける 8月の畑 ミニトマト・ナスのケア キャベツ等種まき

2013年8月10日の畑の実習のシェアです。 7月の実習はこちら。 kurahate22.hatenablog.com <8月の実習内容> ・ミニトマト、ナスのケアの仕方・キャベツ、ニンジン、ダイコンの種まき <ミニトマト>ミニトマトは、この時期大きくなっていますが、老…

自給の畑を身につける 7月の畑 雑草への対処 夏野菜のケア

2013年7月13日の実習のシェアです。 6月の実習はこちら。 kurahate22.hatenablog.com <7月の実習> <雑草への対処>まず雑草の状態について検討しました。雑草は背の高いアカザ科のもの、地下にランナーをはる葉の細長いものなどが目立っています…

自給の畑を身につける 6月の畑 基準の違い チャーハン状態

2013年6月8日の実習のシェアです。 5月の実習はこちら。 kurahate22.hatenablog.com <6月の実習の概要>先月植えた夏苗の手当て、サツマイモ、サトイモの植え付け、大豆・トウモロコシ・カボチャの種まきなど。 <糸川さんの基準について> 今回気…

自給の畑を身につける5月の畑 先月の復習 ポット苗の定植

2013年5月11日の実習のシェアです。 4月の実習はこちら。 kurahate22.hatenablog.com <5月の実習概要><ゴボウ・ジャガイモ・畝立て>まず最初は、先月の実習でやったことの確認。 ジャガイモ、出ていたものと出ていないものがありました。キタア…

自給の畑を身につける 4月の畑 畝立て ジャガイモ植え ゴボウ種まき

2013年4月13日の自給農法の畑の実習のシェアです。 行った実習は、畝たて、ジャガイモ植え、ゴボウの種まき(自家採取のものと販売のもの両方)、エンドウのケアです。 <畝立て>1. 畝は200cmごとに立っている棒を畝のセンターの基準とし、センターより…

7/29 読む!倶楽部発表原稿 「ヨコハマ買い出し紀行」

読む!倶楽部 2018年7月例会 芦奈野ひとし『ヨコハマ買い出し紀行』 <ヨコハマ買い出し紀行登場人物紹介> docs.google.com ◆この物語を取り扱った理由 もともと物語におけるロボットの描かれ方に関心を持っていた。ロボットはチェコの劇作家カレル・チャペ…

人間と人間もどき 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』とブレードランナー

nightlander.hatenablog.com 人間と人間もどき。 物語におけるロボットに関心がある。映画ブレードランナーは原作ではアンドロイドは単純に人の偽物であるようだ。 僕は自意識は機械であると思っている。 自意識は自らを「生命」と思ったり、「自然」と思っ…

学びに含まれるはずのもの 応答とプロセスをすすめるための状況づくり

<18日19時南区DIY読書会(ちいさな学校鞍馬口)>*初参加の方はcasaludens@gmail.com へご連絡をお願いいたします。 それぞれ継続的に自分が考えていきたいテーマを持ってきて、進展の報告をできるかたちを並行(見学も可。)します。 今日はうちの大家さ…

亀裂をいれる 甲本ヒロトの動画から

https://temita.jp/twitter/63953 ロックンロールバンドがね 目指す場所はないんだよ 小学生でも中学生でも高校生でもいい たとえばホウキでもいいんだ ギター持ってなくてさ ロックンロールに憧れて 教室の隅っこでワァーってなる すっげぇ楽しいんだ そこ…

抑圧と回復 人間とはどういうものか

人間とはどういうものかとずっと考え続けてきた。深く傷ついた人たちのありよう、そしてその回復のありようから。 深く回復する人たちは、深く傷ついた人たちであるようだった。そしてそのような傷つきは、自分からではなく、他者から受けたものだった。その…

大沢敏郎『生きなおす、ことば』 痛みを自分のものとしてとりもどすこと

筆者は、横浜寿町で金曜日の18時から21時までの3時間、誰がきてもいい識字教室を作った。フレイレと違い、被抑圧者たちが社会変革を目指すところには焦点を置いていないようだった。 題名にもあるように、識字を通して、それぞれの人の止まった時間を流して…

防災DIY 11/4・11 畑プロジェクト学び手募集

11月4日と18日に開催する、耕作放棄地を畑にするやり方を学ぶ実習の案内です。 環境改善(主に排水を整える)と畑の始め方、柵の貼り方、タマネギの植え方などを学びます。 ◆防災DIYとは? 地震や災害がおこった時、普段の流通が急に途絶えてコンビニから食…

「自己決定」という手前に  

自己決定というのが何か。 mainichi.jp 文中の「周囲と違う個人の選択を尊重すること」というのが、周囲の人に向けた言葉なのだろうか、選択をするその人自身に向けた言葉なのか。多分前者のような感じがするけれど。前者なら他人に自分の考えを強制しないほ…

社会的共通資本勉強会2回目 

社会的共通資本のお話しの2回目。前回のお話しの復習と宇沢弘文さんの著書である『自動車の社会的費用』の前半部分が取り扱われる。 社会的共通資本 (岩波新書) 作者: 宇沢弘文 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2000/11/20 メディア: 新書 購入: 6人 ク…