降りていくブログ 

ここという閉塞から逸脱していくための考察

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

石井桃子『ノンちゃん雲に乗る』 もう一つの世界

『人は、人を浴びて人になる』の著者が子どもの頃読んでいた本が、『赤毛のアン』と『ノンちゃん雲に乗る』だった。 ノンちゃん雲に乗る (福音館創作童話シリーズ) 作者: 石井桃子,中川宗弥 出版社/メーカー: 福音館書店 発売日: 1967/01/20 メディア: 単行…

ある活動のやりとり 吟味の重要性について

ある活動を立ち上げようとしていて、やりとりをしています。 僕はちいさなものですが、今まで色々活動をはじめたり、運営したりしてきて、これが大事なんかなとか、これをやってたらあかんのやなとか、今も現在進行形で遅々としたものですが、そういうものも…

神田橋條治さんの話しから思うこと

精神科医の神田橋さんの『発想の航路2』を何年も前に読み、だいぶ面白かった記憶がある。 先週の私の探究・研究室に来られていた山口純さんに神田橋さんの『心身養生のコツ』を紹介してもらったので、またちょっとその周辺をながめていると、神田橋さんの講…

境毅さんへの応答 論理的関係と倫理的関係・ブーバーの我となんじ・鶴見俊輔のサークルの研究・「時間」について

境毅さんは、このブログでも何回も言及させていただきました。 ミヒャエル・エンデの『モモ』において、大島かおり訳では、時間とは生活であると訳されているのですが、境毅さんは時間とは「いのち」であると指摘され、その指摘は僕が熱心に読んでいた里見実…

「環境」ではなく躍動性に対する応答としての倫理を

環境とは、自分を除いた周りのことなのだと思います。ところが自分というのは関係性なので、自分を除いた世界という時点で、この言葉を用いた問いはおかしくなります。 自分は環境に対して、外からの働きかけ手ということになります。人間がいなければ環境は…

時間に奪われた「時間」 私の探究・研究相談室発表原稿

◆「時間」とは? この鉤括弧つきの「時間」は、一般的に使われる時間という言葉に鉤括弧をつけることで、別の意味として使っています。鉤括弧のついていない、一般的な意味での時間という言葉には「時間に追われる」、「時間を気にして」などというふうにタ…

『ヨコハマ買い出し紀行』買い出し紀行

デイサービス事業をはじめられたNPOさんのお話しを聞きに宇治へ。 行く途中の地下鉄で前に買った『こどものてつがく』を読む。クリシュナムルティが言及されていたので興味を持って買った本だったが、該当箇所を読んだだけになっていた。しかし、ふと気づく…

殻と変容について

殻と変容について。 殻はそれ自体がある程度の自己保存しようとする傾向がある人間のOSで、過去からできている、と思う。 殻は同じことを繰り返す機械的なものであるけれど、もちろん大なり小なり殻の力を借りないと環境で生き延びていくことが困難になる。 …

5/12 自給農法を学ぶ2 作業報告

5/12 自給農法を学ぶ報告<10時からお昼休憩を含み15時まで作業を行いました。主な内容を紹介します。> ◆畑の変化一面にセイタカアワダチソウが生えていた草原が大分畑らしくなってきました。 去年11月の写真。これでも畑の半分以上刈っています。 そして5…

山口純さんへの応答 南区DIY読書会番外編 イリイチのアイデンティティとルーツ 

前書き:南区DIY読書会では、読書会の時間以外でもメッセンジャーでやりとりしたりもしています。読書会メンバーの山口純さんとのやりとりが読書会内だけのメッセンジャーのやりとりだと勿体無い気がしてきて、まず僕の応答だけでも公開しようかと思ってこち…

5/7南区DIY読書会発表原稿 奥野克己『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』第10章〜第11章

2019/5/7 南区DIY研究室読書会 奥野克己『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』 概要:ボルネオの狩猟採集民プナン(西プナン)はマレーシア・サラクワ州政府に属し、自動車などの近代的な道具に触れながらも、狩猟採…

水と絵の具のように 状態と環境の一体性

対話とは何かについて話しました。以前、対話とはするものではなく、おこるものではないかということを書きました。 kurahate22.hatenablog.com 意識的に何かをすることは、同時に壁をつくることでもあります。一方、もし対話という変容のプロセスがおこって…

「文化」は人の尊厳より重要だろうか? 台湾タイヤル族の宜蘭クレオールと多文化主義の欺瞞

クレオールの動画、見ました。 www.youtube.com 日本軍が台湾に攻め入り、少数民族の人たちに日本語を教えました。少数民族にとっては、日本語は少数民族間の共通語のようにもなりました。日本軍は去りましたが、日本語は残り、現地の言葉と混ざって、クレオ…

勝ちについて

負けるということがどういうことなのか、何度かこのブログでも考えてきました。 kurahate22.hatenablog.com kurahate22.hatenablog.com 熾(おき)をかこむ会に参加してくれた方が、ブログでの負けることについての投稿に言及してくれました。 自分で書いた…

今日の報告と次回の南区DIY読書会(6/1(土)19:45〜)

南区DIY読書会次回は6月1日(土)19:45〜、場所はちいさな学校鞍馬口です。 DIY読書会は、主宰はカサルーデンスという団体のものなので、自分の催しという感じでなく、一参加者として参加していた感じでした。 自分が催しするとなると何人かは人に来てもらう…

【催しもの】5/8 (水) 14時〜  熾(おき)をかこむ会

星の王子さま読書会の進行役、臨床哲学者の西川勝さんと一緒に話しをする場です。初参加の方も参加できます。 ■熾をかこむ会 時間 5/8(水)14時〜 (以後毎月第二水曜日14時〜 6月は12日) 場所 茶山KPハザ(白いマンション「洛北館」の西向かい…

『赤毛のアン』とモンゴメリの傷

『赤毛のアン』、かなり興味深かったのでもう少し書きます。 多分この物語の多くの読者は、まだ若い女性で、アンに自分を重ねて楽しむのだと思います。僕はアンを引き取ったマリラであるとか、アンのことを好きになる気難しい老婦人バリーとか、そちらの心理…