降りていくブログ 

ここという閉塞から逸脱していくための考察

甲野善紀さんのツイート 自意識の統制と自律性の関係性

甲野善紀さんが、技が「表の意識が干渉しない状況下でないと発現しない」と述べているくだりがあるけれど、表の意識というのが統制を敷いている状態とそれがとれた状態ではおこること、感じられることなどが変わる。

 

通っている整体の稽古では、意味と意味の境目である腕と手首の境界に意識を向けることにより、境界において自意識の統制は緩む。表の意識の統制を打ち消すようなことをする。そのことによって引きつった表面的な筋肉緊張ではない動きになる。

自意識は戒厳令を敷いた国のように、言葉をもって体から支配権を乗っ取っている。しかし、戒厳令を敷かれた体は自然に変化することが難しくなる。また自意識の直接のコントロールは身体的にも精神的にも負担が大きいし、パフォーマンスが落ちる。支配の代わりに失うものは大きい。

 

基本は自意識で体を統制しているのだが、必要に応じて、自意識の統制を相殺したり、打ち消すことを意識的・人為的にやっているのが自助グループのような変容に関わるような場所だったりあるいは究極までサバイバルを追究する武道だったりする。統制状態を一時的にでも打ち消せられると、体に眠る自律性が間隙を縫ってプロセスを始動させ状態を更新しはじめる。