降りていくブログ 

ここという閉塞から逸脱していくための考察

小集団で時代を超える

少し前に話題になった発達障害の人のみで構成された部署。お互いの苦手なところをふまえ補いながら、自分たちの尊厳も守りながら、飛び抜けた能力で仕事をまわしていく。

 

絵本「シナの五にんきょうだい」を連想した。5人の兄弟たちは特殊な能力や耐性をもっており、焼かれても平気とか、いつまでも息をしなくても生きていけるとかべらぼうな能力をもっていて、それぞれの力を生かして難局を乗り切っていく。

昨今において、ある目的に速やかに到達するために必要なのは、大集団であることであるよりは、むしろ共通の目的や動機の高さをもつ小集団なのではと思う。

 

小集団は、文化をつくることができる。個々がばらばらでいる状態では、多数派の理屈はなんだかんだと通される。そこで、小集団をつくることができれば、応援もしあえるし、自分たちの尊厳を守る環境をつくることができる。

 

北海道の社会福祉法人浦河べてるの家には現実的な語録がある。

・勝手に直すな自分の病気 

・べてるに来れば病気がでる 

・手を動かすより口を動かせ 

・友だちの出来る病気、分裂病 

・公私混同大歓迎 

・苦労を取り戻す

 

これらは別に面白くいうだけとか、開き直っているだけとかなのではなくて、ありきたりの場所ではどうにもこうにもいかなかった状況をひらくためのあり方を追究した結果、経験的に実証された理解を示す言葉だ。

 

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問題を共有し、動機が高い小集団では、そこで創出されていく文化のスピードが速いと思う。マイノリティは積極的にこれを利用していいと思う。社会全体に対する周知などのアプローチも必要だけれど、一方で、小集団が自らの目的に直進し、自分たちが求める部分で、自分たちの求める生活の質を成り立たせればそれでいい。

 

社会の不特定多数に「お願い」するのではなくて、むしろ後ろ姿をみせることによって、社会に影響を与える。導く。

 

小集団で文化をつくり、時代を超える。

クローズアップ現代で、血縁のない老女のシェアハウスの事例が昔に紹介されていた。大金持ちでもなく、しかし自分たちの生活の質を守りたかった女性たちは、看取りまで自分たちが面倒をみるという小集団をつくった。

 

結果、自分たちの生活の質はあがり、しかも自分たちで看取り、看取られることができるという自信がついた。タブーだった死の話題も普通に語ることができるようになったという。


ただ単純に経済的な負担が減るということではなく、自分たちのできることを増やしていくと、自信がつく。受動者から主体者へ。創造性が増し、元気になる。彼女たちの開いた世界は、自分たちのためのものでありながら、自分たちだけでなく、新しいモデルとして公共性をもつ。

 

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