命のリレーという言い方はよく聞くけれど、ふとリレーしているのは命だけだろうかと思う。
手渡さずにはいられない存在、影響させずにはいさせない存在としての人を考えてみる。
隣の人がどんな人だか知らなくて関係もなくても、個々人や個々の家族が孤立しても、誰かが自分と違った生き方をしていても、他人のことを全く関係ないと無視していても、影響されることから誰も逃がれることができない。
心理的影響だけでなく、時に生き死にですら影響される。
人は、そのあり方だけでこの瞬間に影響を与える。存在として手渡さずにはいられなものなのだと思う。
3万人の自殺。
鉄道に身を投げる人のメッセージ。
受け取ってほしいのに受け取られないものは、増幅されていく。受け取らないよと握った一本一本の指の骨を折ってこじあけてでも握らされる。
手渡さずにはいられないこと。
手渡されずにはいられないこと。
避けられないリレーのなかにいる。