降りていくブログ 

ここという閉塞から逸脱していくための考察

◆読書

小沢牧子『「心の専門家」はいらない』 個人の回復と社会の回復

不登校50年で小沢牧子さんのインタビューをみた。 小沢健二の活動や彼の社会臨床学会での「企業的な社会、セラピー的な社会」の発表も、母からそのままの流れぐらいに見えてしまった。実のところは知らないけれど。根本的なところの批判をしている。不登校…

「中動態の世界」の勉強会 意思は切り替えに

鈴木宣仁さんの投稿をきっかけにグループで中動態のミニ勉強会。 www.facebook.com 大澤真幸さんと國分功一郎さんのネット上にあった対談は難解だったけれど、斎藤隆さんの受験生に向けた解説ブログの方の中動態の説明はわかりやすかった。 dokushojin.com g…

4/11 星の王子様読書会 

毎月第二水曜日の星の王子さま読書会。 今回読んだところは王子がパイロットに激しくぶつかるところだった。 パイロットは命がかかっている不時着した飛行機の修理が思ったようにならないことに苛立ち、王子の質問にいい加減に応じる。 花のトゲはヒツジに食…

本の作成5 大学生時代

本の作成、思い浮かぶことがあれば、前の投稿に付け加えたりしている。 今日は古着を買いに行った。行って家に帰ってまた行ってとかしていると、財布を忘れて行ってレジで気づいて止めてもらったりした。財布がないので停めていた自転車も出せず、家まで歩い…

死としての出会い

毎月第二水曜の星の王子さま読書会。 星の王子さま (平凡社ライブラリー (562)) 作者: アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ,稲垣直樹 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2006/01/12 メディア: 単行本 クリック: 9回 この商品を含むブログ (8件) を見る 王子…

南区DIY研究室読書会ZINE 転載 DIY  個々の「自分なり」が世界を満たすとき

DIYと聞くと面倒くさそうだなという感覚が出てくる。DIY=工作ぐらいに思っている。工作は得意じゃないし、自分で作ったものは不細工だし、複雑なものは作れない。安く作れるのならいいかもしれないけれど、それでもやっぱり面倒。DIYで綺麗な家具を作ったり…

奥田知志『もう、ひとりにさせない わが父の家にすみか多し』

1月に同志社大学であったバザールカフェ企画の催しで奥田知志さんのプレゼンをきいて、東京に2泊3日で講座を受講してきてた。 西陣の古書店カライモブックスさんでほうじ茶を買った時に、奥田さんの本があると紹介された。その本が『もう、ひとりにさせな…

本の作成過程2 回復と学びの区別

使っている言葉をあらためて整理する。 学びと回復はどう違うのか、とか自分でもパッと分けれなかったので。 回復とは、一つには自身、他者、世界の受容の過程と考える。たくさんの条件を備えてようやく自身を受け入れられる状態からだんだんにその条件を必…

退職記念講演

人類学を2年ほど専攻していたけれど、『儀礼の過程』のヴィクター・ターナーとか、関心の強いところしか読まなかった。橋本先生は講義をとったこともなかったけど、指導が厳しい先生というイメージだった。でもゼミ生は割と多かったと思うので魅力ある先生…

タイムファンタジー

タイムファンタジーが好きだけれど、君の名は。は見てなかった。 ハッピーエンドが軽薄に嘘っぽく感じられるのは、失われたものと出会えたならそれは失われたものじゃないから。でも失われたものと出会いたいのが望みだから。 現実化すると嘘になる。 あり得…

関わること そこねること

ケア塾茶山、西川さんの星の王子さま読書会に。 飛行士の質問に答えない王子さまの場面から、フィールドで折に触れた話しは聞くが訊いてまわることをしない人類学者や、傾聴の暴力性の話しなどがされる。人と関わることが援助や相手の喜びにつながることであ…

イリイチ『コンヴィヴィアリティのための道具』 11/16南区DIY研究室読書会感想

木曜日は南区DIY研究室で開催されたイリイチの読書会に参加した。本はイリイチの『コンヴィヴィアリティのための道具』。 この語コンヴィヴィアリティの意味合いは微妙なものがあって、日本語にはこれといった適訳が存在していないようである。「自律共働」…

報告 哲学カフェ 信頼から中動態へ

18日に哲学カフェをやりました。当初「友人とは」をテーマにしていたのですが、場の状況に合わせて友人に関わる「信頼」とは何かでやりました。人を信頼するという時の信頼とは具体的にどういうことなのか。自分を傷つけたり、危害を加えない状態が変わらず…

魔女の宅急便を今頃 飛べなくなったキキ

友人が竹林で手製のほうきを作った記事へのコメントを見ていたらなぜキキが飛べなくなったのか気になってきた。ジブリの作品というのもあって、すぐに検索候補が表示されてくる。 matome.naver.jp 宮崎駿は、聞かれてもこれが理由だと答えていないようだ。確…

息とめぐり

日曜日はからだとことばのレッスンへ。 一ヶ月あいて久しぶりに行くと二ヶ月前にお会いした人の雰囲気が結構変わっている。座った状態で息の入りをお腹まで通す。この時は自分でやるのではなくて、講師の瀬戸嶋さんが手で直接顎を押したり、背骨と胸を押した…

パラレルワールド 全ての意味が無化するところで

あまり音楽聞くほうでもないし、音楽のことを何も知らないけれど、何となく久しぶりに原田知世のシンシアをyoutubeで見ていて気持ちが揺られる。 原田知世 - シンシア 顔を両手で覆うと、森の中から水辺や街などに場面が移る。着ている服も変わる。 それぞれ…

報告 11/10 哲学カフェ「自立とは」

哲学カフェ、自立って何だろうということをテーマにやってみました。 聞いた知識ではなく、自分の体験、自分のリアリティに焦点をあてていく。経済的自立、精神的自立、色々使われるけれど、自立とは一体何なのか。 色々と意見が出てくる。 お金を使わなけれ…

『屍鬼』読み終わる 生の呪いと更新作用の相克

文庫版、残りの4巻と5巻が図書館にきた。 最近友人と話したとき、僕は人間は生命を生まなくて、生命が生命を生むと考えると言った。生むというのもおかしいかもしれないが、生命は、働きであって、生きたり死んだりするものではないだろうと思っていて、それ…

「とむらい」をめぐる対話経過報告 「かのように」生きること 

「とむらい」をめぐる対話、遠方の人はメッセージで、近郊の人とは会って話しをしています。9人の方が希望をくれていて、会える人とは日程を決めて一人一人会っていっています。 僕がやってきたこと,やっていることは、考えることというよりなぞることです…

「とむらい」をテーマに

「とむらい」をテーマに何人もの人と対話する機会をもらう。 話すと理解がすすむのを実感する。 「とむらう」あるいは「とむらうように」かかわる・つくりだす。抽象的な言葉になっているけれど,実用概念として考えている。勝手にこねくり回してこの言葉に…

ギブスとしてのパーソナリティ

パーソナリティタイプ論は、あれば大体見てしまう。野口整体の体癖論も興味深いのだけど、売っている本で詳しく紹介されているようなものを見つけていない。 「体壁論」という本はあるけれど晴哉さんはあまり解説するタイプじゃないように思える。このことの…

再読 西岡常一『木のいのち 木のこころ 天』

既にあるものがどこかで答えを出しているから、それを自分なりに探し出そうとしている。学生のとき、心理学から人類学のほうにうつったのもそうだ。その分野で行き詰まっているようなことは、他の分野に転がっていることからアプローチしたほうがいいと思う…

話しをすること 「何か」がおこること 居場所

図書館に本を返しにいく。夏は日が暮れる時間がいい。 id:boundary-lineさんのブログを読む。居場所について。 <a href="http://usaginooto.hatenablog.jp/entry/2015/08/09/150144" data-mce-href="http://usaginooto.hatenablog.jp/entry/2015/08/09/150144">居場所 - ウサギノオト</a>usaginooto.hatenablog.jp 誰かと話しをする場があればいいのにとよく思う。別に知り合いのカフェに行けばいいのだけれど…

弔い あるいは影として共にあること

amenomorinoさんのブログで寺地はるなさんの文章が紹介されていた。 新しい本の匂いを嗅ぐ ビオレタ - 六月に雨がamemori.hateblo.jp 寺地さんが物語をなぜ書きたいのかについて。 私はどうして物語を書きたいんやろう、とこれまでずっと考えていたんですけ…

実(じつ)をとる マジックポイントを運用する

今日は大阪でミーティング。 行く途中、線路横の道を歩いていると線路脇にそれぞれの向かいの家がプランターを置いたり、ブロックで土を盛って木を植えたりしていた。それが歩くにつれ、その規模が大きくなっていく。80センチぐらいの大きな石で組まれて、か…

用をなす 行き場をつくる

自分に影響を与えた物語を10あげて紹介するという催しが終わった。 ヨコハマ買い出し紀行、ひをふくやまとあおいぬま、がわっぱ、大力のワーニャ、チョコレートをたべたさかな、ダンス・ダンス・ダンス、竜馬がゆく、デッドゾーン、ぼくを探しに、きらめき…

七墓めぐりに 

陸奥賢さんと手塚夏子さんの七墓めぐりに参加。 無縁仏を祀った七墓のほとんどは現存せず、墓跡のほうが多いけれどそのほうが面白い、と陸奥さん。その場所の現在の姿と歴史の変遷を辿るとき、たとえばその場所がなぜ整理され更地にされたのか、そこを支配す…

回復のイメージ 安藤美紀夫『ひをふくやまとあおいぬま』

今月の12日(金)19時から「オレベステン!」という催しをやります。 「オレベステン!」は、ジャンルを自分で勝手に選んで、そのベストテンを発表するもの。まわしよみ新聞の陸奥賢さんが考案した自分語りの一種。僕は物語を選んだ。 ■6/12(金)19時より「…

オズの魔法使い 世界と自分を分離させるペテンを破綻させる

デニム 「ランスロットさんも、怖いと思うことがあるんですか?」 聖騎士ランスロット 「そりゃ、もちろんだよ。戦いのたびに震えがくるぐらいだ。だけどね、死ぬわけにはいかない、そう思えば、怖さなんてなんとかなるもんさ。」 デニム 「死ぬわけにはいか…

台風なので岸見一郎『嫌われる勇気』を読んだ

雨だったのでアドラー心理学を解説した岸見一郎さんの『嫌われる勇気』を読んだ。対話形式で読みやすかった。アドラー本人の書いたものを少し読みたくなった。 「自己啓発の源流〜」というサブタイトルは、真っ当な内容に対して偏見もたれそうだなと思ったり…