降りていくブログ 

ここという閉塞から逸脱していくための考察

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

当事者が自分で自分を回復させていくときに

治療者側の視点からの、現時点でわかっている回復のあり方、もちろん貴重な知見だと思います。 しかし、当事者側は、治療者の眼差しを自分のなかにいれて、ああ安全感を十分に持ててないなとか、他人に対する信頼感が不足している、肯定感が高まってないな、…

動いていくこと 展覧会 山本麻紀子 いつかの話しあの人の風へ 

いつも第二水曜日参加している西川勝さんに紹介していただいた展覧会「いつかの話あの人の風」のトークイベントへ。 あなたのいつかの物語。それは、むかしも今も未来も同時に踏んづける生命の足跡。今日もそこに風がたつ。 京都市の「文化芸術による共生社…

2/22ジャンル難民の集まりの報告と、意思と「時間」の関係

ジャンル難民の集まりを行いました。それぞれの探究のテーマは、「時間」、整え、揺らぎ、世を捨てる方法(?!)などでした。 www.facebook.com それぞれのテーマの経過状況、あるいは行き詰まり具合をシェアしました。何となくの状態より、はっきりした行…

「治療的」であるもの=「倫理的」なもの

オープンダイアローグ界隈で倫理的であることは、治癒的であるという言葉があります。 倫理という言葉は誰かが決めた細かい正しさを全部守らなければいけないような、堅苦しいものというイメージがあるように思いますが、そもそも倫理とは何であるのかと問う…

世界の受容器 100年もつぬか床と心のひだ

伊藤亜紗さんとドミニクチェンさん、橋田朋子さんの対談の記事を読みました。 unleashmag.com 伊藤亜紗さんが米国で参加したシンポジウムにおいて、障害当事者に対して、義足や人間の能力を超えるような目覚ましいデバイスを提供することは、その人の蓄積し…

闇から希望をつなげて 第3回 狭山事件の再審を実現しよう市民のつどい in 関西へ

阿倍野区民センターで開催された狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西へ。 第一部に釜ヶ崎で活動されている本田哲郎神父の記念講演があり、本田神父のお話しを実際に聞いてみたいというのが動機でした。本田神父は、優しく落ち着いたテンポでお話し…

応答する他者

持てるようなものを何もかも奪われた人でも、救われることはあるのか。 どのような報われないみじめな生であっても、それを受けとめるまなざしはあるのか。 そういうことを探してきたと思う。 放り出された場所で、どうしていいのかわからなかった。 ここに…

最近は割と散歩をしはじめた。 自転車で行っていたところでも歩いていいかなと思う。「時間」という言葉をもって、感じ方が変わってきている。四国遍路をやって高知ぐらいまで行ったとき、歩くのは飽きたと思った。そのせいなのかどうかわからないが、四国遍…

勝ちをゆずること

沖縄の話しを聞きにココルームへ。 www.facebook.com 実際に辺野古や高江に行き、そこで感じたことや心の揺れを語ってもらった話しが一番心に残りました。 以前永橋爲介さんのゼミに参加させてもらっていたとき、永橋さんは、運動movementとは心の動きmoveが…

その人を超えるもの

松本大洋「ZERO」では主人公のボクサーが自分の相手に出会えないまま30歳をむかえたときに、自分と同じ狂気をもつ若きボクサートラビスと出会い、闘います。 主人公の「時間」はそのトラビスと出会うまでは止まっていました。どのボクサーも彼にとっては彼を…

本当の納得を得るために 西川勝さんからの提案

西川勝さんから第二水曜日の星の王子さま読書会の前の時間、14時〜16時あたりに何か場を持ちたいとのお話しをいただき、平日昼間ですがぜひやりたい思いです。 僕がこれまで西川さんの場に惹きつけられてきたのは、西川さんの当事者性、生きるなかで直面した…

「時間」に応答する責任としての倫理 ピーター・シンガー『動物の解放』

ピーター・シンガー『動物の解放』を読む会へ。 davitrice.hatenadiary.jp 薄々知っていてもあらためて狭い場所での異常な過密監禁(過密が原因で死んだり病気になってもなお詰め込む方が儲かる)による畜産や実験動物を取り巻いた状況は、自分の購買状況を…

人との接点

臨床心理学科に入ってもあまりカウンセラーとかになる気は無かった。 治療者や支援者にはなりきれないし、なるつもりもないけれど、自分と相手がいて、お互いが何か生きるなかで探っていることがあると思う。 次に会うときがあれば、何を確かめ、何が見えた…

薬指に名前をつけない意味 意思と「時間」の相容れなさ

「時間」が動くことは、自分の感じる世界が新しくなっていくプロセスであるといえるでしょう。ただ、感じかたを新しくするのは、プロセス自体です。 状態が変わったことを自意識としての私の手柄にしていると一時的には高揚するでしょうが、やがてプロセスは…

カフェコモンズでのジャンル難民ミーティング

大阪は富田のカフェコモンズでのジャンル難民ミーティング終了しました。 先の見えない時間を生き延びてきた人には「時間」が止まること、「時間」が動くことという言葉は直感的に把握され、そのまま自分の言葉として使われていました。僕がむしろ自分が発表…

奥野克己『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』三章まで 南区DIY研究室 発表原稿

今日の南区DIY読書会で表題の本を3章まで要約して発表しました。 ブログを書いてきて5年目、最も長いタイトルになった気がします。 概要:ボルネオの狩猟採集民プナン(西プナン)はマレーシア・サラクワ州政府に属し、自動車などの近代的な道具に触れなが…

「時間」のイメージ4つと動きだした種

2/10日曜日、14時からちいさな学校鞍馬口で「自分の「時間」を知る」ワークショップを行います。10日は正式募集が今日からなので鋭意募集中です。8日は大阪富田のカフェコモンズでも「時間」の短い発表とジャンル難民ミーティングを行います。 発表に先立ち…

止まった「時間」を動かすために 安田純平さんと捕虜体験者の方から

同じ施設に捕まっていたカナダ人ショーンは帰国後、自宅にあるトイレを自分専用にして家族には使わせないという。鍵をかけたくないし、自分以外の人が入れたり閉じたりできるのも嫌なのだと。いまでも、睡眠から覚めると両手を広げ、あの棺のような独房にい…

「回復」や「自己実現」をこえて 

緊急的な状態が過ぎても日常は続きます。緩慢な危機、その後の不自由はそのまま続きます。 レールとずれた人は、どこに向かって生きればいいのでしょうか。ある程度回復したとき、放り出されたような気になります。次にどこに行こうとすればいいのでしょうか…