どうも成功体験の積み重ねという言い方には違和感があった。ある特定の体験による自己認知の変化は、成功体験への固執を生んでむしろあとで邪魔にならないだろうか? 何かができる・できないという条件に紐づけられてもいるし。
「成功体験を積んでいる」ようにみえる時も、重要なのは成功体験自体ではなくて、未知の可能性に踏み出し、そこから新しい実感を得るというリハビリなのではないだろうか? その場合は何かをやった自分に対してではなく、未知のものとの対話自体に信頼をもつ。自分や自分の成し遂げたことではなく、世界に対して信頼を持っていく。
「自分を仲の良い親友のように扱う態度」は、「成功した自分」のような自意識との一体化とは逆で、自分を二人称の「あなた」として、自分を知らないものとして扱う態度であるように思う。それは一体化や同一化とは逆であり、むしろ突き放してさえいる。
「これができる自分」に対しての肯定性ではなく、未知のものに対して踏み出し、やりとりする行為自体への信頼感の回復、「わからないこと」への信頼感の回復が重要なのではと思う。
最近の心理学界隈では「自己肯定感より Self-compassion」みたいなことが言われ始めているけど、これを「自己憐憫」と直訳すると日本語では別の意味になってしまう。
— 済州島みかん🍊 (@99mina_jeju) 2018年3月25日
そこでアイドル用語を借用して「自分推し」と訳すと、かなり近い意味になることに気付いた。https://t.co/KqHaHqCyy5
どうやら情緒が安定している人の共通点は、従来言及されてきた自信(自己肯定感)の高さではなく、自分自身を仲の良い親友のように扱える態度(Self-compassion)ではないか、と考えられ始めているらしい。
自信を持つことは大切なんだけど、Self-compassionがないと自信を築くこともできないという。”