降りていくブログ

生き残りながら回復していくために

当事者研究 他人事メソッドについて

当事者研究

 

自分自身を他人のように実況中継する技法「他人事メソッド」を考案し雑誌などにも掲載されている大矢さん。FB投稿でも実践されている。実況することで自動思考と自分が一体化した状態を切り離す。

 

 

他人事メソッドは距離を取るための技法と思っていたけれど、これは対話なのだと気づいた。文字による他人事メソッドは特にそうだと思うけれど、暖かくかつフラットな相手に現状を報告し、フラットに返してもらう。

 

 

自分をどういう存在と認識するかは、他者という宛先に対して、自分が言って(働きかけて)それを相手に(あるいは世界に)応答されての繰り返しによってできているようだ。そしてどうやら自分が頭で想定して設定する相手とのやりとりであっても効果がある。その相手との対話で自分自身に対する実感が変わってくる。

 

 

だが自分がこれはあくまで役割であって自分ではないと構えたかたちで誰かとやりとりしたならばそれは実感を更新する体験にはならない。もちろんそれはこれ以上傷つかないためにやっているのだが、それは毒を吸わないために呼吸を止めるようなものだ。それが常態になれば心は循環ができなくなる。心の時間は止まり、崩壊しつつある世界の切迫のもとに変わらない悪夢が続くような苦しみに生は追い詰められていく。

 

 

どんなに安全な場を作っても究極的には他人は自分がコントロールできない。どんな反応を返されるかわからない。だがこの大矢さんの対話はその部分をクリアできる1つの方法だ。

 

 

去年、クリスチャンの栗田隆子さんが自分自身のプロセスについて書いた冊子を読んで祈りとは対話だったのかと知ったのだけれど、自分が設定した相手と対話して、自分自身に対する実感の更新することが有効であるためにもう一つ重要なことがあると思う。

 

 

それは真摯にそのままに相手に報告するとき、その把握の精度を上げていく感覚で、自分を探究状態にすることだ。より正確に、よりフィットした言葉を探しつつ報告する。この探究状態になることで既知のものではない新しいものが発見されていくだろう。百も承知のものをだらだら報告しても仕方ない。知っているものをさらにそれが本当にそうなのかを吟味していくことがこの祈り、この対話を実際の変化に導くだろう。