降りていくブログ

生き残りながら回復していくために

論楽社へ いのちとくらしを育む森 レオナルドさんのお話

岩倉の論楽社へ。
論楽社さんは、27年前より運営が続けられている京都のオルタナティブスペースの先駆けで、小規模で深い質の場をつくられている。

今回はメキシコから来たオルギンさんのお話し。ウィンドファームのフェアトレードのコーヒー豆などを栽培されている。お知らせをもらったとき、農法のお話しだと思っていたけれど、一技術の話しではなかった。

 

オルギンさんがメキシコで作っている組合は、小規模の組合の連合。それぞれの小さな組合はたとえば農であったり、医療であったり、金融であったり、様々な仕事をしている。学校もある。組合員数は3万人。それらの組合の仕事によって25万人の人口をもつ街が豊かな森を育みながら持続可能な仕組みを達成していた。オルギンさんのお話しは、高度な先進事例のお話しだった。

 

森には3種の輸出用換金作物、20種類のコミュニティのための作物、たきぎや薬用の植物などは100種類の植物が育てられている。単一の作物が作られている区画がたくさんあるのではなくて、それらのものが同時に同じ場所でつくられている。別の言語をもつ2つの先住民がそれぞれの文化を守り大切にしながら、新しいかたちの共生をつくりあげていた。

 

彼らの収入は、国連の指標では貧困のなかにあるとされるが、組合員の食料は十分で、家は確保され、人々の暮らしに対する満足感や自尊心は組合員でない人より非常に高い数値を記録していた。かつては大地主と仲買人に支配されていた場所で、37年をかけて人々は自分たちの暮らしをつくった。小さく自律的な単位がパッチワークによってつくりだす生態圏。これが理想だと思っていたけれど、もうこの地域ではできているのだった。

 

だが、ここでやってくるのが国と大企業の蹂躙。国は様々な外国の企業に、その地域の鉱山、地下資源の発掘権と水力発電の建設を許可している。それらが行われればこの環境は破壊されてしまう。住人達は反対運動を繰り広げる。デモを行い、ここで何が行われようとするのかを住民に伝える。開発側は、現金収入が得られる仕事ができてこの地域が豊かになるといいことばかり言ってくる。住人たちがそれに乗せられてしまわないように組合は教育と問題の周知に時間をかけている。

 

今の世界では、自分たちの地域内をどのようにうまくつくりあげる事ができても、国や多国籍企業など外部の思惑、暴力がやってくる。資源があればなおさらだ。だから生きていくためには、内部の整えだけではなく、外部の暴力的侵略に対する抵抗力が必要なのだ。

 

いくら豊かな自給自足コミュニティをつくっても、国が農業の大規模化をすすめ、モンサント社の言うことをどんどん取り入れ、アメリカのように家庭菜園を禁止するなら、そこで終わってしまう。生きていくとき、暴力的な外部との対峙を考えないわけにはいかない。

 

強大なものとの対峙は、負けるかもしれない。でも生きることは取引きじゃないから、労力払ってもいいけれど結果が保証されないと動かないぞ、と腐るわけにもいかない。


いのちとくらしを育(はぐく)む森――メキシコのオルギンさんと中村隆市さんの「講座」へ、ようこそ、ようこそ(大切な付記を添える) | 論楽社ほっとニュース