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ここという閉塞から逸脱していくための考察

自給の畑を身につける9月編 糸川勉さんの自給農法を学ぶ

自給農法は京都府右京区京北町で電気水道ガスをひかず自給生活をしている糸川勉さんが開発した農法です。特徴としては、無農薬、無化学肥料、堆肥を買わず雑草を利用、省労力、農業資材にお金をかけず経済的、初心者でも確実に育てられる工夫の多さなどがあげられます。不耕起無肥料の自然栽培といわゆる有機農業の中間ぐらいにある農法です。自給だと作物を売ってお金を稼がないといけないという無理がないので、自分と自分の暮らしを中心に畑に関われます。月に一回実習をしていますので、9月の紹介をします。

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■9月の取り組み
タマネギ種蒔き・ニンニク植え付け

9月の畑

秋もの年内取り野菜と、冬もの年越し野菜を区別して種まきをする.夏もので残すものは最後までもたすように手当てする.ほとんど10月いっぱいまでもつ.夏草は倒して肥料として使う.根菜類+白菜・キャベツ・水菜の場所をまず決める.葉物も多数あるので畝を作り直してもよい.・年越し用の種まき(10月が最終)

 

今回の実習は、夏野菜のケアと秋冬物の準備でした。
糸川さん、畑に残っているもので、食べられるものは全て収穫するのがケア、ということで、今回はみんな食べるようにと強調されていました。収穫することも畑の手当てですので、沢山とれすぎて食べきれないときは友達や近隣の人におすそわけしたりすればよさそうですね。

<ケア>
ニラ→花が咲く前に刈る。年に4回刈れる。花は食べられる。11月以降に株分けするといい。花をいけたり楽しみたい場合は花が出てから刈り取っても十分間に合う。
オクラ・バジル・ピーマン→とれるものはすぐ収穫。しっかり収穫することで次の実、葉ができすくなる。逆に作物を収穫せず枝になったままにすると苗に負担がかかる。苗がしんどそうなときは早めに収穫することも。
ニンジン→4月まきのものは種取り用以外は収穫。芯ができて固くなる。お盆ごろにまかないと大きくならないが、蒔けるなら蒔く。
ミニトマト→出来ているものは全て収穫。枯れた枝葉は落とす。
ナス→細くのびきった枝、葉が下向きになった先端は剪定する。
サツマイモ→葉の上に草があるようならとる(他の作物も同じ)。それ以外は放置でいい。葉鞘を食べる。葉鞘はすぐ料理するならすじをとらなくていい。芋は試し堀りしてみてもよい。

<種まき>
キャベツ・ブロッコリー→今回は苗床で条うえ。1cm間隔ほどに種が落ちるようにお椀のうえでひねりまきを練習した後にまく。まいた後はおがみがけか、三本指のかたちで横の壁の土を落とすようにしてもよい。その後しっかり鎮圧し、土と密着させる。草を載せ半日陰に。
タマネギ(黄・赤)→苗床に条まきで1cm間隔。しっかり鎮圧。半日陰に。
ダイコン→畝を中央を高くした三角にたて、そのうえに足跡をつける。足と足の間はくっつける。かかとの部分に肥料分の草を置き、その上に土を置く。足の上半分の外側のへりに4つ種をまく。へりの壁を少し崩して覆土し、鎮圧。
ネギ→ネギ苗はある程度乾かしたもの。ネギ苗が分けつしている場合丁寧に分ける。上に青いネギがついている場合は白い部分まで(根から20㎝ほど残して)切る。畝の幅によるが、基本はひらぐわの幅の溝をつけ両脇の盛られた土に3~5本苗を斜めに立てかける。間隔は30㎝ほど。置けたら根に土をかけ、さらに分解しかかった草などどっさりかけその上から土かけ。ネギは肥料食い。肥料っけのあるものをのせる。

注)今回、キャベツ・ブロッコリーの苗床の上で枯れ草を燃やし、その後に種まきを行いました。虫除け、肥料効果のある灰をつくる意味があります。ですが、たき火については畑をかりている上での制約もあり、なるべくスタッフがいるところでやるか、スタッフと申し合わせて行っていただくようお願いします。風向きで近くの家に煙が行った場合、布団などを干していると苦情がきます。当日の風の有無、周りに延焼していかないかケアすること、水を用意しておくこと、あまり大きくやらないこと、消火を徹底して行うことなど、細心の注意が必要です。

 

 

◇参考◇

■今、畑にあるもの

トマト:ミニトマトは寒くなるまで収穫できる.茶色になった枝はカットして、茎から根が生えている所に土をかける

ナス:実成り多く、疲れた枝はカットする.冬までできる.8月の新しい芽を伸ばす.

キュウリ:地ばえキュウリはこれから採れる

シシトウ:寒くなって葉が下を向いたら、葉を全部むしって佃煮にする

インゲン:まだこれからも種まきができる

オクラ: 9月にはよく花が咲いて実付きがよい

カボチャ:葉全体に元気がなくなれば、思い切って整理し、場所を空ける

サツマイモ:つるをどんどん伸ばす.かぶっている雑草は引き抜く

里芋:放任

ネギ:8月に植えた苗は随時収穫.9月に必ず種まきをしておく

大豆:除草、土寄せ

キャベツ:土寄せ、虫取り(年内用),年越し用の苗作り

ブロッコリー:キャベツと同じ

ニンジン:間引きながら収穫

白菜:キャベツと同じ

秋ジャガイモ:種芋は切らずに、適度な大きさのものを使う

9月の種蒔き

上旬

→ダイコン タマネギ 小カブ コマツナ シュンギク レタス、サラダ菜 ジャガイモ 水菜 シロ菜 聖護院ダイコン、カブ

中旬

コマツナ ホウレンソウ 小カブ ダイコン ゴボウ ネギ シュンギク 中国菜 水菜

下旬

シュンギク ネギ ホウレンソウ コマツナ レタス、サラダ菜 小カブ

■クワについて
1 備中ぐわ(3つグワ)・・3本の刃がついた鍬。深めに耕したり、土を砕き、空気を入れる際などに使用する。作業中にクサビや刃が外れた場合は、刃がやや下向きになっている状態を確認して柄にさし、クサビをいれてゲンノウ(トンカチ)で打って固定する。刃が上向き(反っているような状態)で入れてしまうと耕せず、柄が折れる。基本的に丈夫な鍬だが、頑固な雑草を根っこごと取ろうとする時などに、柄に全体重をかけたりしても折れるので注意。

2 平ぐわ・・長方形の鉄板を斜めに柄にとりつけた鍬。土の表面を削ったり、その土を移動させる時などに使う。畝が出来た後に表面に生えてきた雑草を除去したり、土寄せするのに便利。穴掘り、耕しに全く向かず、使用すると鉄板が曲がるので注意。


用語の説明
・チャーハン状態・・チャーハンとその具材のように、土(ご飯に該当)と草等の有機物が程よく混ざった状態。あまりに有機物が多すぎると問題がでるので、有機物の混ざり具合もチャーハンとその具の割合をイメージしてください。

・空気入れ・・畝に対しては、備中ぐわによって、作物の根があると思われるところの外周りに鍬を入れる。耕すのではなく、刃が土に刺さった状態で柄を僅かに自分のほうに引き、少しだけ土の表面にヒビをいれる。そのことによって、微生物活動を活発化させる空気が入り、また土の表面の栄養がヒビに入りやすくなる。通路に対しても同様に、鍬をいれて、柄を自分のほうに引きヒビをいれる。鍬は入れたときと同じ角度で出し、土を反転させない。

一年草宿根草多年草

一年草とは、一年で世代を終える草をさし、多年草とは個体が複数年にわたって生き続ける草をさす。地上部の茎や葉が枯れ落ちても地下茎や根などが休眠状態で残り、翌年、そこから再び茎や葉を伸ばすものもある。宿根草を意識的に取り除くことによって、長期的なスパンでの畑の管理が楽になる。

 

 

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