降りていくブログ

生き残りながら回復していくために

読書

『屍鬼』読み終わる 生の呪いと更新作用の相克

文庫版、残りの4巻と5巻が図書館にきた。 最近友人と話したとき、僕は人間は生命を生まなくて、生命が生命を生むと考えると言った。生むというのもおかしいかもしれないが、生命は、働きであって、生きたり死んだりするものではないだろうと思っていて、それ…

ギブスとしてのパーソナリティ

パーソナリティタイプ論は、あれば大体見てしまう。野口整体の体癖論も興味深いのだけど、売っている本で詳しく紹介されているようなものを見つけていない。「体壁論」という本はあるけれど晴哉さんはあまり解説するタイプじゃないように思える。このことの…

再読 西岡常一『木のいのち 木のこころ 天』

既にあるものがどこかで答えを出しているから、それを自分なりに探し出そうとしている。学生のとき、心理学から人類学のほうにうつったのもそうだ。その分野で行き詰まっているようなことは、他の分野に転がっていることからアプローチしたほうがいいと思う…

弔い あるいは影として共にあること

amenomorinoさんのブログで寺地はるなさんの文章が紹介されていた。 新しい本の匂いを嗅ぐ ビオレタ - 六月に雨がamemori.hateblo.jp 寺地さんが物語をなぜ書きたいのかについて。 私はどうして物語を書きたいんやろう、とこれまでずっと考えていたんですけ…

用をなす 行き場をつくる

自分に影響を与えた物語を10あげて紹介するという催しが終わった。 ヨコハマ買い出し紀行、ひをふくやまとあおいぬま、がわっぱ、大力のワーニャ、チョコレートをたべたさかな、ダンス・ダンス・ダンス、竜馬がゆく、デッドゾーン、ぼくを探しに、きらめき…

七墓めぐりに 

陸奥賢さんと手塚夏子さんの七墓めぐりに参加。 無縁仏を祀った七墓のほとんどは現存せず、墓跡のほうが多いけれどそのほうが面白い、と陸奥さん。その場所の現在の姿と歴史の変遷を辿るとき、たとえばその場所がなぜ整理され更地にされたのか、そこを支配す…

回復のイメージ 安藤美紀夫『ひをふくやまとあおいぬま』

今月の12日(金)19時から「オレベステン!」という催しをやります。 「オレベステン!」は、ジャンルを自分で勝手に選んで、そのベストテンを発表するもの。まわしよみ新聞の陸奥賢さんが考案した自分語りの一種。僕は物語を選んだ。 ■6/12(金)19時より「…

オズの魔法使い 世界と自分を分離させるペテンを破綻させる

デニム 「ランスロットさんも、怖いと思うことがあるんですか?」 聖騎士ランスロット 「そりゃ、もちろんだよ。戦いのたびに震えがくるぐらいだ。だけどね、死ぬわけにはいかない、そう思えば、怖さなんてなんとかなるもんさ。」 デニム 「死ぬわけにはいか…

台風なので岸見一郎『嫌われる勇気』を読んだ

雨だったのでアドラー心理学を解説した岸見一郎さんの『嫌われる勇気』を読んだ。対話形式で読みやすかった。アドラー本人の書いたものを少し読みたくなった。 「自己啓発の源流〜」というサブタイトルは、真っ当な内容に対して偏見もたれそうだなと思ったり…

アシモフ「お気に召すことうけあい」より ロボットとしての憧れ 

以前住んでいたシェアハウスの住人にアシモフの『ロボットの時代』を貸してもらった。 ロボットの時代 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF) 作者: アイザック・アシモフ,小尾芙佐 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2004/08/06 メディア…

まるで埋まらない 福本伸行の「アカギ」と松本大洋の「zero」

『アカギ 闇に降り立った天才」は、福本伸行の麻雀マンガで、もともと『天 天和通りの快男児』で人気が高かった登場キャラの一人、アカギを主人公にしたスピンオフ作品。 アカギ 29 (近代麻雀コミックス) 作者: 福本伸行 出版社/メーカー: 竹書房 発売日: 20…

『その後の不自由』を読む 自意識の救いかた

図書館で予約していた順番がまわってきた。 その後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち (シリーズ ケアをひらく) 作者: 上岡陽江,大嶋栄子 出版社/メーカー: 医学書院 発売日: 2010/09/01 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 61回 この商品を含むブログ …

反応点 林竹二と竹内敏晴の「蘇生」

知人にかりている林竹二の「学ぶこと変わること 写真集・教育の再生をもとめて」を読み終わった。教育哲学者、林竹二は兵庫県の湊川高校で生徒たちに対して、授業を行った。 学ぶこと変わること―写真集・教育の再生をもとめて (1978年) 作者: 林竹二,小野成…

雪を踏みながら

朝から雪が降っていた。珍しく日中も降り続ける。 夜勤帰りで、叡山電車から駐輪場まで歩いていく。靴が底から浸みるので、足も冷たい。 しかめっ面で寒いなと 思いながら周りをみていると、ふと気持ちがあがっていた。ここのみんなが同じ目にあってるんだな…

もう少し林竹二について

林竹二について、関心がある方がいるようだったのでもう少し書こうと思う。もし教育に関心があって、林竹二を知らなかった人が彼を知ったらひっくり返るんじゃないかなと思う。 僕が林竹二の存在を知ったのは、立命館大学の永橋為介さんのゼミに参加させても…

やってやった感 モードに入れる 中島敦『D市叙景』

中島敦の短編「D市叙景」。 一度読んだ時は特に何も思わなかったのだけれど、院生時代の共同研究室で一緒だった後輩がすごく好きだということで、読み直してからいいなと思い出した。 読んだ最初から好きなのは「悟浄出世」。西遊記の沙悟浄が三蔵に会う前の…

絶望が個に返されている 水俣と緒方正人さん

水俣の漁師、緒方正人さんと哲学者の廣瀬純さんの対談「絶望が個に返されている」を読んだ。 緒方正人さんは、水俣病で父親を失い、自身も水俣病になるなかで、国や公害企業と裁判闘争していたが、ある時点で自ら認定患者であることを取り下げて、個人として…

苦しみを利用する シルヴァスタイン『ぼくを探しに』

12月に京都でzineを売る催しがあってその原稿を書いている。心理学科に入ったり、歩いて四国八十八カ所巡りをしたりしながら気づいてきたことは、人は適切な環境と媒体があれば自律的、無意識的に回復への運動をおこしだすということだ。直面する苦しみが…

希望という言葉

森絵都さん、『カラフル』以来だった。こんなテーマも扱われていたんだなと思う。そのときから人間の欺瞞の先にあるものを探されていたのではないかと思う。牛たちの姿は、社会が人間をどのように扱い、踏みにじっているかの実相。牛は、人間の姿。 「生きる…

ブックレビュー『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』

ブック・レビュー ダニエル・L・エヴェレット『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』 ■この本を選んだ理由 武術家の甲野善記さんがこの本に痛く感銘を受けたというつぶやきをみて、まずこの本を知りました.右左の区別がないこと、数の概念がないこ…

ブックレビュー アサダワタル『住み開き 家から始めるコミュニティ』

アサダワタルさんの「住み開き〜家からはじめるコミュニティ〜」のブックレビュー、参加者は住み開きを経験した方やこれから始めようとする方などで、それぞれの経験、活動や今後したいことなどの話しが盛り上がりました。 著書のなかでは、東京、大阪ほか各…

ブックレビュー 名越康文『自分を支える心の技法』

■この本を読んだ理由 Twitter上で武術家の甲野善紀さん、身体教育研究所の野口裕之さん、内田樹さんたちと名越さんがやりとりしているのを知り、時代や思想をリードする人たちが一緒にいるものだなと思っていました。そのなかで甲野さんが名越さんに「甲野さ…