降りていくブログ 

ここという閉塞から逸脱していくための考察

◆映画

映画「ほたるの川のまもりびと」と「万引き家族」

住民の抵抗運動を押し切って、ダム建設がすすめられるドキュメンタリーをみて、やるせない気持ちになったのは、水俣病患者(症状はあっても認定は自分から取り下げられた)の緒方正人さんが「チッソは私であった」といったように、普通の人の生活そのものが…

防災DIY紹介文について 

防災とDIYの組み合わせ、特に変わったようなことは何もないように思われるかもしれない。 居場所、対話、学び、回復など、それぞれ個別のワードに関心がある方面にもピンとくる人は少なそうだ。 僕は畑をやっているけれど、はっきりいって作物づくりが専門な…

2018年関西クィア映画祭 西部講堂 『沈黙ー立ち上がる慰安婦』

西部講堂で行われている関西クィア映画祭へ。 kansai-qff.org Wikipediaによるとクィアとは、英語圏の言葉「Queer」のカタカナ表記であり、元々は「不思議な」「風変わりな」「奇妙な」などを表す言葉であったが、現在では、セクシュアル・マイノリティ(レ…

7/29 読む!倶楽部発表原稿 「ヨコハマ買い出し紀行」

読む!倶楽部 2018年7月例会 芦奈野ひとし『ヨコハマ買い出し紀行』 <ヨコハマ買い出し紀行登場人物紹介> docs.google.com ◆この物語を取り扱った理由 もともと物語におけるロボットの描かれ方に関心を持っていた。ロボットはチェコの劇作家カレル・チャペ…

ゾンビが人に呼び戻されるために

Dead & Buried(死と埋葬:邦題はゾンゲリア)というゾンビ映画。ある村の住人は全員がゾンビで、村に近づいた人間を惨殺し、ゾンビにして村人にする。現代の寓話だ。ゾンビがゾンビをつくっていく。 ゾンゲリア [Blu-ray] 出版社/メーカー: ハピネット・ピ…

6/13 星の王子さま読書会

第10回星の王子様読書会。 星の王子さま (平凡社ライブラリー (562)) 作者: アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ,稲垣直樹 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2006/01/12 メディア: 単行本 クリック: 9回 この商品を含むブログ (8件) を見る 花との別れの…

小沢牧子『「心の専門家」はいらない』 個人の回復と社会の回復

不登校50年で小沢牧子さんのインタビューをみた。 小沢健二の活動や彼の社会臨床学会での「企業的な社会、セラピー的な社会」の発表も、母からそのままの流れぐらいに見えてしまった。実のところは知らないけれど。根本的なところの批判をしている。不登校…

見ていくこと お好み焼き屋の話し

数年前に何回か行ったお好み焼きの店、高齢の女性がやっていて、しばらく閉まっていたのでもうやめたと思っていた。だがやっていることがわかって驚いた。行こうと思った。 来月で90歳になるそうだ。店に入ったとき、店にいたお客さんの持ち帰り用の焼きそ…

生きること学ぶこと

なぜ今のようなことに関心を持ち、今のようなことをやっているのか。 書いたこともあったけど、2年半前なのでまたあらためて。 kurahate22.hatenablog.com そもそもは中学時代に始まったフラッシュバックがことのおこり。 いじめや嫌がらせをしてくる同級生…

用をなす 行き場をつくる

自分に影響を与えた物語を10あげて紹介するという催しが終わった。 ヨコハマ買い出し紀行、ひをふくやまとあおいぬま、がわっぱ、大力のワーニャ、チョコレートをたべたさかな、ダンス・ダンス・ダンス、竜馬がゆく、デッドゾーン、ぼくを探しに、きらめき…

アシモフ「お気に召すことうけあい」より ロボットとしての憧れ 

以前住んでいたシェアハウスの住人にアシモフの『ロボットの時代』を貸してもらった。 ロボットの時代 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF) 作者: アイザック・アシモフ,小尾芙佐 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2004/08/06 メディア…

スーパーローカルヒーローを観に行った

昼過ぎから畑に行く。 途中、山際の道でアスファルト上に腐葉土がたまっているところがあって、それもバケツにとっていく。腐葉土は主にタマネギ用に。畑の土と色が大分違う。濃い茶色だ。 畑にはよしむらさんがいて、余ったタマネギ苗の定植作業をしていく…

銀月シネマ

月に1回、銀月アパートというところで小さい上映会をやっている。 小さい部屋で、人数も10人以下でやる。そういう感じがいい。30人とか50人とかのイベントはしない。企画者が楽しめる+アルファでやったら持続できる。無駄が無いと思う。 Instagram …

クィア映画祭へ 無性愛者のドキュメンタリー(A)sexual

お隣の方から絵の展覧会のお誘いを受けていた。 三条のみやこめっせという場所にむかう。 お隣さんは現在88歳で20年前から絵を始められたそう。先生も88歳。お仲間も20人から10人に減りながらも年に1度の展覧会に向けて絵を描いている。どこかへ…

「回復のための演劇」がつくりたい

「回復のための演劇」が構成できないかと考えている。坂上香さんのドキュメンタリー映画「トークバック 沈黙を破る女たち」では、HIVに感染した女性たちが自らの尊厳を回復するために自らの物語を演劇化している。この映画をみたある自助グループでは、それ…

体質

雨が近いけれど、下鴨神社では今年の左京ワンダーマーケットが決行されていた。年に1度開催されていて、京都やその近隣から何か活動している人たちが勢揃いする。 京都は狭いのでちょっと街のほうに出たり、催しに参加したりすると知り合いによく会う。僕は…

トンカツと弔い 「トークバック 沈黙を破る女たち」によせて

坂上香さんの映画「トークバック 沈黙を破る女たち」が各地で上映されている。演劇を通して、HIVに感染した女性たちが自らの尊厳を回復させていく姿を描いた作品。 映画『トークバック 沈黙を破る女たち』予告編 - YouTube 右上がりな世界観はそれに一体化で…