降りていくブログ 

ここという閉塞から逸脱していくための考察

ことばを獲得していくこと

日本ではパウロ・フレイレはあまり浸透しなかったとされる。 そこで思い出されるのが、知り合いの年配の教員の方々が話されていたこと。彼らによると林竹二は、部落差別への向き合いではなく、(学校)教育の充実を選んだという。 林は、社会「運動」のよう…

第三者の取り戻し 意思でコントロールする対象としての「自然」ではなく

当事者研究的に人間について考えてきて、人間はそもそも欺瞞的なものであって、個人であっても組織であっても、自分ではその自己疎外性(自分で自分をダメにしてしまうこと)を乗り越えることができず、それを破壊する存在である他者が必要であるという認識…

hanare×Social Kitchen 田中美帆「おどりが方向を変える時」へ

最寄りのカフェ、ソーシャルキッチンにてDIY読書会にもきてもらっていた田中美帆さんの個展「おどりが方向を変える時」がはじまったので行ってきました。 hanareproject.net 「おどり」は田中さんが飼育されている文鳥の名前でもあるとのこと。タイトルから…

4つ目の窓 植松被告の死刑判決によせて

植松被告の死刑判決。 ふとジョハリの窓が気になった。ジョハリの窓は格子に区切られた4つの自分を表したもので、自分も他人も知っている自分、自分は知っているが他人は知らない自分、自分は知らないが他人は知っている自分、自分も他人も知らない自分の4…

プリズン・サークルとラップのワークショップ 心と表現の連動 乖離を埋めていくもの

プリズン・サークルの坂上香監督がラップのワークショップについて公開投稿されていました。 www.facebook.com 3/8、プリズン・サークル x ラップワークショップ@横浜黄金町から、感動醒めやらず。昨晩は、ラップで、しかも初対面の人ばかりでサンクチュア…

償い(atonement)とは、ともにある(at one with)こと

映画「プリズン・サークル」の坂上監督が雑誌『世界』で連載されているとのことで書店に並んでいた『世界』の3月号と4月号をとりあえずもらう。 www.iwanami.co.jp 3月号にはTC(回復共同体)の実践を行なっている非営利団体アミティの代表のインタビューも…

波風に応答する社会へ

昨日はDIY読書会。 酒井隆史『暴力の哲学』の発表からは、一見すると非暴力で治安がいいような社会のようにみえても、実態は強い弾圧や抑圧が存在する社会の状態は「擬似非暴力状態」であるという視点の紹介があった。 平和学における消極的平和と積極的平和…

ジャンル難民発表会 発表原稿 生きることの当事者研究

<プレ発表で以前に投稿したものに加筆したものです。> →3/2再度編集しなおしました。 ◇なぜ「生きることの当事者研究」か? 生の主体性の取り戻しと「苦労の社会化」が環境を新生させる 当事者研究は、社会福祉法人浦河べてるの家からはじまったもので、専…

2回目のプリズン・サークル 機械と震え

京都シネマでの最終日。 prison-circle.com 平日の4時開始だったけれど、受付近くではこのために半休をとって来たというような話しをしている声も聞こえた。 2回目のプリズン・サークルは体感としてはあれよあれよと進んだ。あれ、もうこのシーン、このセリ…

閉じた監獄を破綻させていくために

実際のところは知らないけれど、SNSなどで日系のホテル・ニューオータニではなく外資系のANAホテルが自律性を保てたという指摘が興味深かった。日系だと現秩序が全てになっているわけだけれど、圧力がかかったとしても外資系だと政権が沈むのに自分も付き合…

プリズン・サークル 忘れられた楔(くさび)

友人たちと「プリズン・サークル」を観てきました。島根にある官民共同の刑務所で行われているTC(回復共同体)の取り組み。感情を乖離させ生き延びてきた受刑者が自分を、そして他者を、痛みを感じる人間として取り戻していく様子が描かれていました。 映画…

直接性と感覚(主観)が奪われる社会から逸脱していくために

縁あって資本論のゆるい読書会へ。境毅さんに難しいところなどはサポートしていただいてみんなで一段落ずつ声を出して読んで、わからないところを話していく。 自分なりにとても印象に残ったのは、資本家は自然と(搾取的だけど。)関わることができる(自然…

2/2 南区DIY読書会 プレ発表:生きることの当事者研究 原稿

◇なぜ「生きることの当事者研究」か? 「苦労の社会化」が環境を新生させる 当事者研究は、べてるの家からはじまったもので、専門家に解決を委ねていた自分の「苦労」の仕組みを自分自身で「研究」し、それを周りにシェアするものです。そこでは個人のものと…

やりとりの一部から 応答について

最近は、人間は良くも悪くも応答的存在でしかありえないなと感じています。 フランクルは、人生に意味を問うのではなく、自分が人生に問われていることに答えなければならないというようなことをいったそうですが、降りていくブログは生きるなかで僕と同じ問…

1/24 私の探究・研究相談室 発表原稿

発表:「意思をもった主体? 管理する主体? 意思・自律性・責任・応答」 意思・・・。「意思をもった主体」であることが人間の人間たる価値とされています。たとえば、自分の将来のために意思的に勉強しておくとか、良いことを頑張ってするとか、です。「意…

殻と更新作用

「殻が厚くなる」という言い方は日常語で使われますが、このとき「殻」は、「厚くなっているなあ」と言われているその人本体を指しておらず、言われているその人が身にまとうもののように、その人の行動や態度のあり方を規定するようなもののようにいわれま…

なんでもなくなる

回復とはどういうものか、そしてどうやってその過程にはいればいいのか、ということを考えてきた。 回復を意識すると回復は停滞する。それはなんども言及してきたけれど、そう言いながら、この言葉自体が回復を目指してもいる。回復するために回復を意識する…

『表現の生態系』ティム・インゴルドのインタビュー 名詞の動詞化と宗教の語源

別の用事でお邪魔させてもらっていたお宅で紹介していただいた『表現の生態系』のティム・インゴルドのインタビューをちらっと読みました。 sayusha.com 現物が手元にないので正確ではないですが、記憶に残ったことは、名詞を動詞化すること、宗教が語源的に…

【当事者研究】気持ち悪さ 醜さ

ふと思い出した。 ある人が無自覚に抑圧的な発言をした相手のことを「〜さん、気持ち悪くない?」と言っていた。 きつい言葉だなと思った。自分が無関係には思えない。 僕は中学校の頃に自分に執拗に絡んでくるクラスメートを出会ったなかで一番気持ち悪いと…

11/16 路上で出会う”彼女”の話〜若年女性の居場所と性暴力〜

仁藤夢乃さんの講演を聞きに。 もともと本を読まない人間だけれど、最近ますますお勉強(してないけど)のために本を読む感じのことができなくなっていると感じる。しかし、仁藤さんの話しは身体的に迫ってくる。お勉強感はない。 www.facebook.com 女性が性…

【報告と考察】11/12星の王子さま読書会

星の王子さま読書会、次回は12月10日(火)18:30〜@茶山kpハザです。 今回のチラシはこちら。 www.dropbox.com 月1回のペースで27回目ということで、2年をこえた読書会。 今回あつかった範囲は、王子がへびと話しているところに遭遇したパイロットと王子の…

【感想】熾(おき)をかこむ会  「責任」や「個」の終わり

「責任」や「個」という概念が現実のプロセスとは乖離したものであることがより実感されてくる。それらは今の社会を回すための基礎的な概念であるけれども、社会が複雑化してきて、現実というものは今まで済ませてきたようなこれらの素朴な割り切りでは扱え…

リードインの試み 初回

心に残った他者のことばに自分の言葉を添えるリードイン、とりあえずやってみてどういう感じにできるか考えよう、と上高野(左京区)での初めての試み。 紹介されたことばは、熊谷晋一郎、茨城のり子、小沢健二、緒形正人、澤田徳子『きらめきのサフィール』…

欲望形成と学び

ー (斎藤)自発性に基づいて、まさに欲望が形成されてくれば、あとは欲望につきしたがっていくだけで適切なコースが見えてくる。そのときに治療者は、「こっちに行きなさい」とか指図する必要はないんですよ。リカバリーというのはそういうことです。ー さす…

【11月の催しもの】 DIY読書会・「リードイン」実験会・水曜ゼロ円飯(吉田寮炊き出し)ほか

【11月の催しもの】 →9月より熾(おき)をかこむ会は第二火曜日の14時〜17時になっています。西川勝さんは、お仕事の都合で熾(おき)をかこむ会には来られなくなりましたが、同日18時半からの星の王子さま読書会には来られます。 11月5日(火)…

「適応」ではなく主体化へ

小沢牧子さんは『「心の専門家」はいらない』において、臨床心理学、心理カウンセリングが問題を個人の心のなかのこととして矮小化してしまうこと、閉じ込めてしまうことに無自覚なことに警鐘を鳴らしている。 blog.goo.ne.jp これがどういうことなのかわか…

抑圧の相互解放のために

ある属性のマイノリティが別の属性のマイノリティへの抑圧にはまるで無自覚でしたい放題だったり、自覚していても平気だったりすることがある。またマジョリティに対してであれば、抑圧仕返すような結果になろうが、今までマジョリティがやってきたことを踏…

【催しもの】11月17日(日)大地の再生と自給農法玉ねぎ定植のワークショップ

叡山電鉄京都精華大前から歩いて7分の畑で大地の再生と自給農法のワークショップをやります。 昨年はこの畑を畑として使っていくために、シカとイノシシ除けの柵づくりとイグサとセイタカアワダチソウだらけになっているところに初めて畝を立てて、玉ねぎを…

思考の更新は環境を必要とする

自分や状況を変化させていくにあたっては、世間で言われていることとか、それはそういうふうになっているというような建前はともかく、実態はなんなのかを掴んだ言葉が必要だと思う。 フレイレは、言葉は実践によってより妥当なものに更新され、その言葉によ…

10/16 DIY読書会発表原稿 宇井純『自主講座「公害原論」の15年』

【はじめに】 小松原織香さんが開いている環境と対話の会で扱われていた本。1970年から1986年まで東大で行われた自主講座の講演録。公害を扱う学問がないなかで、自ら学ぶ場を作った活動。野外で行われた講演には1000人がきたこともあった。1970年からこんな…